【夜間でも受診してよい?】怖い腹痛の見分け方

健康

はじめに

腹痛は、いわゆるお腹が痛い状態です(そのままですが。)

腹痛は、患者さんにとっても、実は医者にとっても難しい症状です。

お腹が痛い原因が、胃なのか、腸なのか、血管なのか、肝臓?腎臓?膵臓?

いろいろと存在するので難しいのです。

腹痛があるときに、急いで受診すべきか、翌日受診まで待って良いのか判断が難しいと思います。

特にコロナで受診が難しい時期ですし、、、

ということで簡単な怖い腹痛の見分け方を記しておきたいと思います。

逆に、腹痛を専門としない医師や看護師、医療者についても怖い腹痛であるかどうかを見抜くのに参考にしていただければ幸いです。

外科医が怖いと感じる腹痛を簡単に伝えたいと思います。

怖い腹痛の見分け方

まず、下記にリスト化しておきます。お腹が痛くなった時に参考にしてください。

すぐに受診すべき腹痛

  1.  急にお腹が痛くなった(痛いと感じた瞬間から激痛)<血管性病変の可能性がある>
  2.  持続的な激しい腹痛(痛みが和らぐ瞬間がない)<血管性病変の可能性がある>
  3.  歩くとお腹に激痛が走る(腹膜刺激症状)<腹膜炎の可能性がある>
  4.  高熱(38.5度)を伴う腹痛<感染性疾患は早期治療が望ましい> 
  5.  水分摂取が不可能かつ、嘔吐や下痢が激しい<脱水は致命的な疾患である>

出来る限り早期に受診すべき腹痛

  1.  腹痛が徐々に強くなる<炎症の増悪>
  2.  腹痛以外の症状も多彩になる<腹部周囲臓器への炎症波及など>
  3.  排便、排ガスがなくなった<腸管蠕動の停止>
  4.  下血を伴う腹痛(出血量によってはすぐに受診が必要であるので、病院に電話で質問するべき)

少し待てる可能性が高い腹痛

上記のすぐに受診すべき腹痛や、出来る限り早期に受診すべき腹痛には当てはまらないものとして下さい。

  1.  周期的な腹痛(波がある腹痛)があり、下痢をしている。水分摂取は可能。(ウイルス性腸炎の可能性が高い)
  2.  左下の腹痛(左下腹部は重要臓器が少ない)

怖い腹痛の原因は?

怖い腹痛の原因は、基本的にすぐに治療を開始すべき疾患となります。

ここからは少し専門的です。

例えば、持続的な痛みや急激発症の痛みは、血管性病変を疑います。

血管性病変ですが、大動脈解離や上腸間膜血栓症、卵巣捻転、絞扼性イレウス、NOMI(非閉塞性腸管虚血)などは、組織が虚血となり、壊死すれば回復することはありません。そのため一刻を争います。

また、腹膜刺激症状や高熱を伴う腹痛は、感染性疾患の中でも、特に細菌性疾患を疑います。細菌性疾患は早期治療が望ましく、治療時期が遅れれば敗血症へ移行し致命的となります。こちらは基本的には高齢者や基礎疾患のある患者を想定はしています。

下痢や嘔吐などは脱水になりやすい状態で、かつ水分摂取が出来ない状態であればすぐに受診が必要です。脱水は怖い病気ですので。

最後に 

最後に、痛みが我慢できなければ、もちろん早期受診をしてください。病院の役割の一つが苦痛を取り除くことだと思います。尿管結石症などは腹痛として感じることもありますが、激痛です。怖い病気ではありませんが、痛みを取り除くことがQOLに関わると考えます。

なにか怖い腹痛の項目が抜けているようでしたらご指摘いただけると幸いです。

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